スレート屋根とは?耐久性やメリットデメリットを解説
スレート屋根はメジャーな屋根材の1つで、人気のある屋根です。
この記事では、スレートに屋根をしたいという方や、スレートの屋根ってどんなメンテナンス方法が必要なの?と思っている方向けにスレート屋根のメリット、デメリット、メンテナンス方法をご紹介します。
しっかり特徴や正しいメンテナンス方法を知り、適切に屋根の選択や補修を行ましょう。
・スレート屋根の種類と特徴がわかる
・スレート屋根メリット、デメリットがわかる
・スレート屋根のメンテナンス方法や工事費用がわかる
スレート屋根ってどんな屋根材?
スレートは、粘板岩を薄い板状に加工したものです。
天然のスレート(粘板岩)と、スレートに見えるようにセメントを加工した化粧スレートがあり、日本で屋根材として使われているのは、ほぼ化粧スレートの方です。
安価な屋根材のため、近年多く使用されるようになっており、特に建売住宅で最も使用されている屋根材となっています。
また、スレートと言わずに、「コロニアル」「カラーベスト」と呼ぶことがあります。
これは日本最大手屋根メーカーのケイミュー株式会社が販売しているスレートの商品名のことです。
化粧スレートと天然スレートの違いとは
化粧スレート | 天然スレート | |
---|---|---|
耐久性 | △ | ◎ |
価格 | 〇 | × |
耐震性 | 〇 | △ |
原材料 | セメント | 石 |
スレート屋根には、「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類があります。
天然スレートは、岩石の天然素材を使用した屋根材で、一方、化粧スレートはセメントの人口的な素材を使用した屋根材です。
戸建ての一般住宅で使われているのは、圧倒的に化粧スレートと思っておいても間違いありません。
天然スレートは、やはり価格が高く、使われる建物ものとしては、東京駅などの大型の高級建築や、よほどこだわりを持ったお宅でないとありません。
表にまとめたとおり、『耐久性』においては、天然スレートは、石そのものの寿命と同じなので、数十年というレベルではありません。
割れることがあれば、メンテナンスをしなくて行けませんが、滅多にないことですので、塗装なども含めてメンテナンス不要です。
化粧スレートは、美観と防水のために定期的なメンテナンスが必要です。
『価格』は、人工的なもので、大量性が出来ることと、天然のものなので出来ない違い、さらに、岩石のため、加工も大変なことから、費用は大きく差が付きます。
続いて、『耐震性』ですが、これは「重い=耐震性が低い」ということになるので、化粧スレートよりも、天然スレートの方が、1.5~2倍は重くなるため、耐震性は化粧スレートの方が安心です。
ここから、日本の住宅屋根に多く使われている化粧スレートに関して、まとめていきます。
スレート屋根の耐用年数
定期的なメンテナンスとして、塗装をすることで、20-25年と言われております。
もちろん、スレート屋根と言っても各屋根材メーカーから出ているもので、いくつも種類があり、多少の違いがあります。以前は、塗装をしてはいけないスレート屋根もあったくらいですので、スレート屋根の中でも違いは出てきます。
塗装や細かな補修をする目安
塗装は、大体10年に一度行うことが必要と言われています。それをすることで、美観と、防水性を回復させる役割があり、劣化を遅くすることになります。
また、意外と知られていないのが、『棟板金』です。屋根の最上部に板金が抑え金具として付いており、経年劣化で、止められていクギが浮いてきて、ゆるくなり、そこから雨水が侵入されます。こちらも10年以上経ったら、専門業者に見てもらう必要があります。ただ、10年に一度の屋根塗装の時に一緒に見てもらうことが一般的です。
スレート屋根を新調する目安
20-30年くらいが一番行われることが多いです。
スレート屋根の種類と、今までのメンテナンス実績からそのお宅によって前後します。
さらに、住まわれる方が、今後のこの家をどのように使っていくかのライフプランも大きく影響してきます。
例えば、屋根が傷んできたけど、この先10年以上住むことはないと分かっていれば、酷いところだけ部分工事を行ったり、塗装ですませておくという選択肢も出てきます。
スレートの施工費用
120-160万円(30坪、面積100㎡)くらいで行われることがほとんどです。
その他にも、雨樋交換有無や、屋根の形状、屋根面の数による施工費の前後によって変わってきます。
さらに言うと、大きく影響してくるのが、既存のスレート屋根に人体に影響するアスベストが含まれているか含まれていないかで、廃棄費用が変わってきます。
アスベストが含まれている場合は、産業廃棄物としての処理となり、50万以上別途かかってきます。
スレート屋根のメリット
安価
屋根材の中で、一番安価で使用されている屋根材です(アスファルトシングルもほぼ同額)。それが理由で、建売住宅では採用されることが多い屋根材になっています。
軽い
金属屋根のガルバリウム鋼板が圧倒的に軽いですが、それでも瓦に比べれば、1/3の重さです。
カラーバリエーションが豊富
最近ですと、各屋根材メーカーがいろんな色のスレート屋根をラインナップで出してきております。
施工の難易度が低い
他の屋根材と比較すると、施工自体の難易度は低く、その分工期も短く済みます。30年前から一気に普及率が伸びた理由の中の大きな一つでもあります。
- 安価
- 軽い
- 豊富なカラーバリエーション
- 施工の難易度が低い
スレート屋根のデメリット
塗装などのメンテナンスが必要
他の屋根材に比べるとメンテナンスの頻度は多くなります。
特に塗装は、10年に一度は必要になってくるので、その都度、足場を設置して、行わなければいけません。
苔が生え、美観を損なう
特に北側傾斜の日当たりが良くない屋根面は、雨のあと乾くまで時間が掛かるため苔が生えやすいです。そのことによって、美観も損ないますし、そのコケの部分に水がたまりやすくなり、浸透していってしまいます
ヒビや割れが起きやすい
経年劣化で、ヒビや割れが起きてしまうこともあります。
これも他の屋根材にはないです。部分的なものでしたら、コーキングで何とかなりますが、全体に広がっていったら、葺き替え工事か、カバー工法が必要になってきます
コロニアルのメンテナンス・修理方法と施工方法
屋根塗装
塗装は、劣化を直すものではなくて、劣化が進まないように塗膜を作り、屋根材を保護する役割があります。
逆にいうと、既に劣化してしまっていたら、塗装工事ではなくて、葺き替え工事もしくは、カバー工法による屋根工事をしないといけないことです。
劣化症状でご案内した「色あせ」「ヒビ割れ」「塗膜の剥がれ」「カビやコケの発生」の症状を改善は、塗装工事でできます。
■屋根塗装の工程
作業工程 | 作業内容 |
---|---|
足場設置 | 場の設置 (高所作業のため必要) |
高圧洗浄 | 高圧の洗浄機汚れを落とす (塗料が落ちないようにするため) |
下塗り | 1回目の塗装(塗料の密着性を高める) |
中塗り・上塗り | 2回目、3回目の塗装 (厚みを付けて耐久性を高める) |
カバー工法・葺き替え
既に劣化の状態が激しい状態では、塗装ではもう原状回復できないので、屋根葺き替え工事、もしくは、カバー工法を行うしかありません、
既に屋根にたわみがある状態や、反り返ってしまっている場合は、屋根葺きかえ工事が必要になります。
物理的には、カバー工法も可能ですが、推奨できないです。カバー工法は、既存の屋根に水平に、新しい屋根を被せることになるので、水平に保てないくらいの状況の場合は、葺き替え工事となります。
全体的にヒビ割れがひどい状況、経年劣化で、コロニアルが破損や剥がれが多く見られる状態の時は、カバー工法でも対処できます。
既存のコロニアルの撤去、処分が必要ないので、費用も抑えられるので、カバー工法を選ぶ方が多いです。
■葺き替え工事の場合の工事の流れ
作業工程 | 作業内容 |
---|---|
足場設置 | 場の設置 (高所作業のため必要) |
既存屋根撤去 | 棟側から留めてある釘を取って、既存屋根を剥がす |
下葺き材確認(~撤去) | 劣化具合が酷ければ、下葺き材(アスファルトルーフィング)も撤去する。その下の野地板の確認要否も行う。 |
下葺き材設置 | 既存の下葺き材の上、もしくは野地板の上に新しい下葺き材を敷く |
新屋根材設置 | 軒部分から、新しい屋根材を吹いていく (屋根材によって施工方法は異なる)く |
■カバー工法の場合の工事の流れ
作業工程 | 作業内容 |
---|---|
足場設置 | 場の設置 (高所作業のため必要) |
下葺き材設置 | 棟側から留めてある釘を取って、既存屋根を剥がす |
下葺き材確認(~撤去) | 既存のコロニアル(スレート屋根)の上から軒側から釘止めをして敷いていく |
新屋根材設置 | 軒側から、新しい屋根材を葺いていく |
スレート屋根の定番メーカー・商品
ケイミュー株式会社 コロニアルグラッサ
ケイミュー株式会社 コロニアルクァッド
スレートは屋根は初期費用を抑えたいという方に最適
やはり、特徴としては、屋根材の中で一番安価で使用できるということです。
屋根材だけでなく、施工費も高くありませんし、価格面の魅力のある屋根材です。
重量で言うと、ガルバリウム鋼板の金属屋根にはかなわないですし、耐久性も瓦、さらに、ガルバリウム二は劣ってしまいます。
ですが、現状一番価格を抑えられるというところは魅力的です。
まとめ
ここまでスレートに関して特徴からメンテナンス方法など解説してきました。内容をまとめます。
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スレートはどんな人向けの屋根材ですか?
スレートは屋根材の人気商品の中で一番安価なので、できるだけ費用を抑えたい人に向いています。
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スレート屋根は塗装は必ずすべきでしょうか?
スレートへの交換も、塗装のメンテナンスも腕のいい業者にやってもらうことが大切です。
もし施工不良や、メーカー推奨の工事手順を守らなければ雨漏りやずれを起こしてしまます。
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